-
宇治山哲平
うじやま てっぺい
-
UJIYAMA Teppei
-
-
石と盆
いしとぼん
- Stone and Tray
-
-
1951(昭和26)
-
-
技法・材質
油彩・画布
-
Tecniques,materials
Oil on canvas
-
-
形状
額装
-
Shape
Framed
-
- 油彩・その他
- Oil Paintings
-
- 昭和中期
- Mid-Showa period.
-
65.2×80.5
-
昭和26年第2回型生派美術協会展に出品され、翌年の第3回秀作美術展に選抜された作品。宇治山のアトリエには、いつもこの静物画の「モデル」となった石が陽当りのいい窓辺に置かれていた。おそらく郷里の日田盆地周辺の河原で拾われてきたものだろうが、九州山地の奥深く入り組んだ地形を縫うようにして走る急流に洗われた石は、肌理の細かいふくよかな丸味を帯びて大自然の造形の妙味をみせている。宇治山はこれを小皿に盛った果実と共に盆に戴せて描き出しているのだが、対象の形態は極限にまで簡略化されて半抽象の方途を示し、律動的な曲線と直線の交叉が明快な色彩を伴って緊張感に満ちた画面をつくり上げている。自然の中に見出された強く存在を主張する形象を、外見に拘泥することなく画布に引き移し、そこに自然のもつ力を鋳込めようとする宇治山の気魄のこもった秀作である。